ニーズの見つけ方とは?
皆さんは製品やサービスを作成される際に、対象となる人から聞いた内容や、データからニーズがあるかどうか探しているかと思います。(中にはそれすらできていないものもあります。)
では、その聞いた内容やデータからさらになぜ「こんな内容やデータが出たのだろうか?」と一歩先まで考えることを皆さんはしているでしょうか?
この記事ではニーズを探す中で、皆さんがミスしやすいポイントとその解決策をお伝していければと思います。
ミスしやすいポイントとその解決策
例えば、データを集めて行く中で、人は自分の考えに沿ったデータが出た瞬間「ほら!やっぱり僕の考えは正しかったんだ!」とその情報を鵜呑みにして自社の製品・サービスの根拠として行きたいと考えます。
これを「先入観」と言います。
さて、「先入観」を英語では「prejudice 」と呼びますが、この「prejudice」の語源皆さんは何かご存知ですか?
実はこの単語、
preとjudiceという2つの言葉から成り立っています。
① preには「前」という意味があります。
② judiceは、judge(判断)が変化したものです。
こうして2つ並べてみると、似ていることがわかると思います。
この「前」と「判断」の2つが合わさり、
prejudice=前もって判断する→「先入観」
という意味になったのです。
つまり、先入観とは前もって判断されていたと言い換えられます。
では、先入観を持たないようにするにはどうすれば良いか?
簡単です。前もって判断しなければいいのです。
さて少し方向変えて、大学や研究機関などにおける「論文」の話を取り出して見ようと思います。
ある研究成果として、一つの論文が作り出されるまでの過程は、一つの製品・サービスが生み出されるまでの過程に似ています。
論文を作るにしても、製品・サービスを作るにしても、最低限必要なのは
・それを実際に作る人
・その根拠となる事実や人
です。
そして、ここで大切なことがあります。
それは、この両者が先入観をもとに形作られてはいけないということです。
研究機関などにおける論文では、後者である「その根拠となる事実や人」に先入観がかからないようにある効果を用いています。
皆さんご存知「プラシーボ(プラセボ)効果」です。
プラシーボ効果とは、偽薬効果とも呼ばれており、本来は薬効として効く成分のない薬(偽薬)を投与したにもかかわらず、病気が快方に向かったり治癒することを意味するものです。
これを被験者にどちらか偽薬かわからないように飲ませることで、被験者に先入観を持たれたとしても、結果としては先入観など関係なしにその薬の効果がわかるというわけです。
では、前者の「それを実際に作る人」に対してはどうでしょうか?
私の考えでは、論文では、「それを実際に作る人」に対して先入観を持たせないようにする具体的な方法があまり無いように感じます。
それは、論文に関しては、仮設を立て検証し、それが仮設通りに行かなかったとしても、「それが仮設通りに行かないことがわかった」という新たな知見が得られるからです。
その為、正直どっちに転んでもいいわけです。
(中には、○TAP細胞を信じてやまない人もいますが、、、)
話は変わって、今度は製品・サービスについて考えてみようと思います。
ビジネスの世界における製品・サービスにおいて上記の話はどうなっていくでしょうか?
論文と同じように、
・それを実際に作る人
・その根拠となる事実や人
の両者が先入観をもとに形作られてはいけないということまでは同じです。
では、論文におけるプラシーボ効果のような、前者の「その根拠となる事実や人」に関して先入観を持たれないようにする為の方法はどんなものが挙げられるでしょうか?
色々あると思いますが、一つの方法として、「ファクトベース思考」が挙げられます。
ファクトベース思考とは事実に基づいて考えることを言います。
ファクトベース思考における事実とは、以下の二つを指します。
・数値データ
・明文化された文章・明言化された発言
数値データとは具体的には売上高データや来客数などの数字を指します。
そして、明文化された文書・名言化された発言とは、はっきりと文章として書かれたもの、口に出して言った発言を指します。
では具体的にどんな感じ使われるのでしょうか?
例えば、新しいサービスを考える時、
「あの人は、いつも時間がないと言っているから、作業時間がかかるサービスは受け入れられないだろう」
と考えられるのと、
「あの人は、月、火、水、金曜は基本的に残業が入り、その作業はその人しか現段階でできる人はいなく、基本的に20時ぐらいまでいつもしている。ただ、木曜日はその残業がないので、17時で仕事を終わらせることができる。その為、週に1回しか操作しなくて良いサービスなら受け入れられるだろう」
と考えられるのでは、全く違った結果になりますよね。
ファクト、ファクト、ファクトを追って行くことが大切になります。
ここには、ヒアリング能力も関係していきますね。
では次に、「それを実際に作る人」ではどうでしょうか?
論文においては、どっちに転がってもよかったですが、製品・サービスを作る視点に立つとそうとは行かなくなります。
なぜか?
ビジネスとして、やっている以上やはり結果を残さないといけない。そのためには何がなんでも証拠を取りに行かなきゃいけない。ある程度時間をかけてお金をかけてやってきて、今更それが振り出しに戻る。そんなことにはなっては困るという心理が働くわけです。(それ以外の心理ももちろんあると思います。期限が迫っているとか、上司に怒られるとか、ほかにも何がなんでもこの研究成果を製品・サービスに適用するなど・・・)
そんな心理状態の中、先入観無しで製品・サービスを作るというのは本当に難しいです。
仮に、全くそういったことを考えないとしても、思考の奥底にへばりついてなかなか全部を忘れることはできません。90%思考から取り除くことができても100%取り除くことはできません。
では、どうすれば先入観を100%なくすことができるのでしょう?
自分自身でそれが難しい場合、それは「他者、特に第三者の存在を借りる」べきであると考えます。
つまり、上記に挙げた先入観が生まれるリスクを持っていない壁打ち相手の様な存在に協力してもらうことだと思います。
ただ、もちろん誰でも良いと言うわけではなく、その業界に精通していなくてはなりませんね。
是非、周りの方でそう言った方を探してみてはいかがでしょうか?
ただ、周りにそう言った方がいない方にとっては一から探すのはとても大変かと思います。
そんな方々の為にカイテクでは、製品の制作段階から一緒に製品を形作っていくお手伝いをさせていただいております。
カイテクでは介護業界のIT・IOTに精通したメンバーが揃っております。
是非、我々のリソースを上手く活かしていただければと思います。
もし、話だけでも聞いてみたいと言う方がいらっしゃいましたら、弊社までご一報いただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
製品・サービス開発の参考になれば幸いです。
三木