ロボ普及に現場の声 介護者の負担減、働き手確保へ

人手不足に悩む介護現場でロボットを有効に活用しようと、複数の介護機器メーカーと高齢者施設の職員が集まって意見交換する全国でも珍しい取り組みが県内で始まった。現場のニーズと機器のミスマッチを減らし、ロボット活躍の場を増やすため、来年三月まで四~五回の会合を予定。関係者は「在宅介護や障害者の生活にも応用できれば」と期待する。(梅野光春)

 「いい物は必ず普及する。介護現場の課題をしっかり把握し、普及につなげよう」。先月中旬、県内外のメーカー約二十社と、県内十二の高齢者施設の関係者らが出席し、横浜市中区で開かれた第一回会合。主催した公益社団法人「かながわ福祉サービス振興会」(同区)の瀬戸恒彦理事長はあいさつでこう述べた。

 同会によると、介護ロボットは人工知能(AI)を搭載した人型の「PALRO(パルロ)」のようにコミュニケーションを取れるものから、入浴介助時の腰の負担を軽くする機器、要介護者がベッドを離れるとセンサーで知らせる装置などまで幅広い。導入が進む一方、同会の得永真人さんは「取り扱いが面倒で使わなくなり、倉庫でほこりをかぶっているという事例も聞く」と明かす。

 取り組みは、こうした実情をメーカーと共有し、使いやすい介護ロボットの開発につなげるのが狙い。参加メーカーの一つ、湘南ロボケアセンター(藤沢市)の川崎大さんは「利用者の意見をフィードバックするのは重要」と指摘する。

 同センターは、脳が筋肉に送る電気信号を感じ取り、脚や腰の動きを補助する機器「HAL(ハル)」や、映像に合わせて軽い運動を楽しめるシステムなどを展示する「ロボテラス」を運営。自治体の福祉担当者や海外の医療関係者らが視察に訪れる。今後、取り組みの参加者向けの見学会を開き、介護の場面に応じた機器の使い分けなどへの理解を深めてもらう。

 ロボットの改善と普及が進めば介護する側の負担が減り、働き手の確保につながる。得永さんは「サービスの質の向上にもなる」と期待。将来的には、参加メーカーでつくる「介護・生活支援ロボット普及推進協議会」で規格を定め、良質な介護ロボットを認証する制度を創設したいとしている。

 

サイト:東京新聞
URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201806/CK2018062102000149.html

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