排泄支援ロボット多様に 「できるだけ自分で」を手助け

齢で体が衰えたり、障害があったりして、自力でトイレに行って排泄(はいせつ)することが難しい。そんな人たちを支援し、介護する側の負担を軽くするために期待されるのが、ロボット技術を使った機器だ。排泄にかかわるいろいろな場面を想定した商品がつくられ、一般家庭向けに売られるケースも少しずつ増えている。

 

尿意をお知らせ、トイレをそばに…
 一方で最近は、本人の「できるだけ自分の力で、トイレでしたい」との希望をかなえるための機器が目立つ。

 その一つがトリプル・ダブリュー・ジャパン(東京都)の「DFree(ディーフリー)」。尿意をうまく感じ取れずに失禁しやすい人が対象だ。超音波装置で膀胱(ぼうこう)の大きさを測り、「そろそろ尿が出そう」のタイミングを介護者らに通知して、トイレに誘ってもらう。これまでは介護施設向けの商品だったが、今年7月から一般向けの販売(4万9800円、税別)を始める。

 同社はもともと、便意をキャッチできる機器を目指している。まだ開発中で完成してはいないが、中西敦士社長は「今年秋には、どんな製品になるかの仕様を発表したい」と話す。

ログイン前の続き 排泄には、トイレまでの行き来▽衣服の着脱▽便座に座り、立ち上がる――といった動きも伴う。介護する側の体の負担も大きく、本人が遠慮して「おむつでがまん」になりやすい。

 TOTO(北九州市)の「ベッドサイド水洗トイレ」(39万8千円、税別、工事費別)は、トイレの方から近くに来てもらおうという発想だ。便器内で便や紙を細かく砕き、直径2センチの細い管から室外に流す。昼間は介護を受けつつ家のトイレに行き、夜間だけこちらを使うという選択もできる。

 自室に備える「ポータブルトイレ」は以前からあったが、そのままため込むタイプが多く、臭いが気になりやすかった。

服の着脱も楽に 歩けない人でも
 下半身の不自由な人が自宅のトイレを使う場合、車椅子から便座への乗り移りなどが必要になる。その動きを手助けするのがFUJI(愛知県知立市)の「Hug(ハグ)」だ。

 介護者がリモコンを操作し、上体を抱え上げる。衣服の脱ぎ着にも便利だ。下半身の力が少し残っている人に向いている。在宅向けの商品を7月ごろから販売する。税別88万円だが、介護保険の対象品としてレンタルできれば、月数千円の自己負担ですむ可能性もあるという。

 ほぼ寝たきり状態だと、自宅のトイレで排泄するのはなかなか難しい。そんな人でも歩行をサポートしようと、東京理科大の小林宏教授らは「座位・立位支援装置」の開発を進める。

 上体や脚を保持して歩くのを補助する「アクティブ歩行器」というロボットをすでにつくっていて、性能を検証中だ。このしくみを活用し、モーターで座ったり、立ち上がったりする動きをつけた。体の固定具は衣類の脱ぎ着がしやすいようにしている。小型化などの課題があり、改良を重ねる。

 こうしたロボットはかつて、介護者の負担を減らすことがまず重視されていた。介護ロボットの安全基準づくりなどに携わる産業技術総合研究所の本間敬子主任研究員によると、最近は本人の生活機能を高めることをより大切に考えるようになっている。

 「ロボットであれば、排泄の世話をしてもらっても恥ずかしくなく、本人や介護者に『イヤだな』という負の感情が生じにくい」。日本コンチネンス協会の西村かおる会長はロボットのよさをそう指摘する。必要とする支援の内容は人によって異なるので、望まれるロボットの姿もさまざまだ。

 今後について、西村さんはこんな期待を語る。「必要なときにだけ現れて体を支え、排泄物をもとに健康状態のチェックもしてくれる。そんな機能をもつ便座型のロボットができたら理想的かもしれません」

サイト:朝日新聞
URL:https://digital.asahi.com/articles/ASL674VT1L67UBQU00N.html?rm=812

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