認知症患者への接し方、医師ら伝授 京都、気持ちや特性を体験

認知症患者への接し方を、実践を交えて学ぶ参加者たち(京都市下京区、ひと・まち交流館京都)

京都市内の精神科医や介護福祉士らでつくる認知症介護者の支援団体「おれんじ畑」が、認知症患者の気持ちや特性を体験することで効果的な介護の仕方を学ぶユニークな講座を開いている。一部の症状は、患者への接し方を変えれば抑えられる場合があるといい、「介護する方もされる方も、より穏やかに過ごせる方法があることを知ってほしい」と、参加を呼び掛けている。

「2人一組になって、相手の楽しい話を無表情で聞いてみましょう。話し手の人は、どのような気持ちになりましたか」

おれんじ畑が下京区で開いた認知症介護者の育成講座で、講師の介護福祉士増本敬子さん(61)が参加者に促した。話し手役は無反応な相手役に戸惑い、話が途切れてしまう。

認知症患者が同じ話を繰り返すと、聞き手の介護者は無意識に無視しがちになる。患者は悲しさや腹立たしさが募り、無気力や暴力といった情緒の不安定につながるという。

だが、繰り返される話を常に笑顔で受け止めるのは介護者の負担になる。増本さんは、「同じ話を何度もするのはコミュニケーションをとりたいサイン。そういった患者さんには、こちらから積極的に声を掛けるだけで、随分と症状が和らぐ」と話す。

講座では、患者の言動をひもとくことで、どう接するべきかを実践を交えながら伝えている。おれんじ畑代表で精神科医の東徹さん(38)が認知症患者をアドリブで演じ、参加者には臨機応変な対応を試してもらうこともある。

おれんじ畑は、増本さんと東さんが現場で培った知識とノウハウを介護生活にすぐに役立つ形で届けようと、2年前に立ち上げた。作業療法士など他職種も加わり、月1~2回、主に京都市内で体験型の認知症講座を開く。患者の見守りや介護者の支援に地域全体で関わってもらおうと、会場をお寺にしたり、子どもを対象に開くなど介護者以外へも情報発信している。

認知症高齢者の数は年々増加しており、団塊世代が後期高齢者になる7年後、京都市では計8万7000人に上ると推計されている。東さんは「認知症になっても住み慣れた地域で暮らせるよう、患者と介護者を社会全体で支える活動を目指したい」と、先を見据える。

次回講座は11日午後2時から、下京区のひと・まち交流館京都で開かれる。無料。問い合わせは、おれんじ畑のホームページの専用フォームから。

サイト:京都新聞
URL:http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180708000078

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